えっ、ここらに若しも米軍機が墜落して甚大な災害があっても何も保障されないかも知れないじゃないか。子供の頃に割と近くの田圃に米軍の輸送機が落ちたもんな。
日米地位協定にある。岩国基地の運用マニュアルでも、軍用機と民間機が「競合」すれば軍用機を優先すると明記する。
何年か前に、岩国から羽田へ。目の前に史上最強と言われるF22が2機着陸したが、それを待機するしかなかった。余談だが、アラスカから飛んできたのか、嘉手納から飛んできたのかは不明。
岩国空域にかかる岩国錦帯橋空港(同)、松山空港(松山市)では、民間機も基地の許可がなければ離着陸できない。ただ、最も影響を受けるのは空域の西側にある大分空港(大分県国東市)だと国内線のベテラン機長(54)は証言する。「岩国空域は通ってはいけないというのがパイロットの共通認識。避けて飛ぶから、羽田など東方面から大分へ向かう路線は難しい」
民間機は岩国空域のさらに上を飛び、通過後すぐに大分空港への着陸準備に入る。このため一般的な路線より高度低下が急になると指摘する。「翼のブレーキだけでなく、上空で車輪を出し、空気抵抗を大きくして無理やり減速させる場合もある」という。
へえ、4600m以上からいきなり急降下か。
岩国から羽田へ向かうには松山のかなり手前で転回し、今治上空に向かう。伊豆大島の真上から、房総半島沖で転回し、羽田に向かう。そのまま直進することもあれば、風向きによっては大きく千葉を回る。今は場合によっては、埼玉まで周り、新宿、渋谷から降下するらしい。
羽田からこちらへは東京湾上空で大きく旋回し、横浜上空からどんどん高度を上げ、富士山の北側を飛ぶ。横田空域の高度制限を避けるのだろう。
呉近くから、周防大島の東を降下、八島上空で急旋回して再び大島を通過して真っ直ぐ岩国に向かう。
イワクニ 地域と米軍基地 地位協定の壁 <3> 周辺空域 米軍が管制
https://www.hiroshimapeacemedia.jp/?p=82114
中四国地方の空に、米軍岩国基地(岩国市)が航空管制をしている空域がある。岩国進入管制空域。広島、山口、島根、愛媛の4県にまたがり、最高高度は約7千メートル。上から見ると、基地を中心に羽を広げたチョウのような形をしている。
岩国空域にかかる岩国錦帯橋空港(同)、松山空港(松山市)では、民間機も基地の許可がなければ離着陸できない。ただ、最も影響を受けるのは空域の西側にある大分空港(大分県国東市)だと国内線のベテラン機長(54)は証言する。「岩国空域は通ってはいけないというのがパイロットの共通認識。避けて飛ぶから、羽田など東方面から大分へ向かう路線は難しい」
民間機は岩国空域のさらに上を飛び、通過後すぐに大分空港への着陸準備に入る。このため一般的な路線より高度低下が急になると指摘する。「翼のブレーキだけでなく、上空で車輪を出し、空気抵抗を大きくして無理やり減速させる場合もある」という。
岩国空域の管制を在日米軍が担う根拠は、日米地位協定にある。岩国基地の運用マニュアルでも、軍用機と民間機が「競合」すれば軍用機を優先すると明記する。「それがパイロットの共通認識の背景にある」と同じく民間機の機長の高橋拓矢さん(51)。パイロットたちの労組でつくる航空安全推進連絡会議(東京)事務局長も務める。
高橋さんは約10年前の経験を振り返る。悪天候のため、在日米軍が当時管理していた沖縄本島周辺の空域を通過させてもらうよう要請したが、断られた。「日本が管制すれば、より柔軟な運航ができるはずだ」。連絡会議は毎年、岩国空域の管制業務を日本が担うよう、国に要望している。
国にはしかし、そうした不都合が生じているとの認識はない。国土交通省管制課は「民間機が進入管制空域を避けているのは事実だが、空域の混雑回避のためで、どの空港の周辺でも同じだ。米軍が管制していることとは関係ない」と説明する。
在日米軍が日本の空域管制を始めたのは戦後間もなく。日本側の設備や人員の不足を背景にした「一時的な措置」だった。だが、米軍は今も二つの空域で管制を続ける。岩国空域と、首都圏上空を覆う「横田空域」だ。
なぜ米軍管制空域が残っているのか。中国新聞はその法的根拠について国に情報公開請求したが、不開示だった。
日本政府も「空の主権」を取り戻そうとしてきた。日米両政府が在日米軍再編に最終合意した2006年、日米合同委員会に特別作業部会を設置。横田は一部返還を、岩国は「調整する」ことで一致した。
横田は08年9月に一部返還されたが、岩国では動きが見えないままだ。国交省管制課は「国の主権の観点から、日本側が一元的に管制すべきだとの姿勢は崩していない」と強調する。それでも作業部会の開催状況や経過は、日米合同委が絡むため明かさない。
「自国の空を管制できないのは異常。国が返還交渉に本腰で取り組むべきだ」と航空評論家の秀島一生さん(72)は指摘する。中四国地方の空は、戦後73年を迎える今も占領期の名残を引きずっている。(明知隼二)
進入管制空域
離陸後の上昇、着陸に向けた下降のための空域。出発機や到着機の多い空港周辺に設けられ、複数の空港や飛行場を含む場合もある。全国に31カ所あり、うち在日米軍が管制を担うのは岩国空域と横田空域の2カ所。それ以外では国が15カ所、自衛隊が14カ所の管制をしている。
(2018年4月17日朝刊掲載)
被爆地・広島を飛び回るオスプレイ 岩国空域(ラプコン)占有する米軍
https://www.chosyu-journal.jp/shakai/11844
広島市中心部の上空で米軍オスプレイの飛来があいついで目撃されている。岩国基地に空母艦載機60機が移駐し、極東最大の米軍基地に変貌して以来、低空飛行訓練を含む広島県内への飛来数は度をこえて増加している。74年前、原爆を投下した広島市の頭上まで傍若無人に飛びかう横暴さは、被爆地に対する挑発的な行動として市民の怒りをかき立てている。
今月15日、広島市中心部でオスプレイ2機が南東から北西方向に飛行していく姿が目撃され、機体から岩国基地を飛び立った米軍オスプレイであることが確認された。広島県国際課によると、同日は平和公園近辺から4件、北広島町から3件の目撃情報が寄せられている。これとは別に、広島市に対し、安佐南区や安佐北区から同じような米軍機の目撃情報が計9件寄せられた。2017年12月にもオスプレイ2機が中区上空を飛行して物議を醸したが、広島市中心部で米軍機の目撃情報があいつぐことは珍しい。
目撃情報を集約した広島県は17日、事実確認と飛行の禁止を中四国防衛局に申し入れた。これらのオスプレイ2機は横田基地配備機で、同基地と岩国基地を往復したさい、復路で広島市中心部の上空を通過し、北広島町をまわって横田基地に帰還したことが明らかになっており、本来避けるべき住宅密集地の上空を意図的に飛行したと見られている。
広島県の集計によると、昨年度の米軍機の飛行による騒音で70デシベル以上を観測した回数は、県内6カ所で4969回にのぼっており、前年度と比べて1・3倍に増加している。とくに岩国基地からの飛行ルートに近い大竹市阿多田島では3182回(前年比1・4倍)、江田島市沖美町では169回(同1・9倍)に達した。
2017年10月には北広島町の上空で訓練中の米軍戦闘機が、敵のミサイル攻撃をかわすための「フレア(火炎弾)」を十数発発射する事件も発生しており、住宅密集地を戦場に見立てた常軌を逸した訓練は今も止むことがない。
岩国基地の配備機数が120機をこえたことに加え、岩国基地を中心にして北側は山口県萩市から島根県浜田市、南側は愛媛県伊方町から西条市に至る広大な空域は横田空域と同じ米軍管理空域「岩国空域」に指定されていることが背景にある。山口県は光市から東部地域、広島県は廿日市市から大竹市、江田島市もすっぽりとこの空域の中に含まれ、米軍機が飛行可能というよりも、米軍しか飛行できない。米軍の許可なしには日本の航空機は進入することができない治外法権空域となっている。空域内の松山空港(愛媛県)に向かう民間機は、岩国基地の管制官の指示どおり飛ばなければならず、空域のすぐ西側にある大分空港へ向かう民間機も、高度制限などの制約を受けている。2016年のオバマ前大統領の広島訪問時には、岩国基地からオスプレイ4機に先導させ、「岩国空域」を通って広島ヘリポート(旧広島西飛行場)に降りており、この空域が「米軍占有」であることを内外に誇示するものとなった。
岩国基地では23日から、九州沖で「空母艦載機パイロットによる着艦資格取得訓練(CQ)」がおこなわれ、約60機の艦載機が滑走路の運用時間外にも離着陸をくり返している。騒音や墜落事故の危険性にとどまらず、「本土の沖縄化」の象徴として広島沿岸を含む一帯を核攻撃基地にする動きがあらわれており、被爆地を冒涜する米軍機の飛行に広島県内一帯で反発が高まっている。
嘉手納・横田・岩国ラプコン 管制空域・解説まとめー「日米地位協定入門」より
http://blog.livedoor.jp/amenohimoharenohimo/archives/65847141.html
日本にある米軍基地周辺の空は、米軍の管制権があるのですね。
つまり、空を米軍が支配している、ということです。
それが、日本の民間航空が飛行機を飛ばすことに影響しているのですね。
▼引用元:本当は憲法より大切な「日米地位協定入門」 (「戦後再発見」双書2)
ラプコンとは、「rader approach control(レーダー侵入管制)」の略です。
それでは、嘉手納ラプコン、横田ラプコン、岩国ラプコンの順に見ていきます。
横田ラプコンの管制空域(一都八県の巨大空域)
首都圏の空はアメリカの支配下にあるというわけです(空だけではないんだけどね)。
これについて「日米地位協定入門」は以下のように説明しています。
▼引用元:本当は憲法より大切な「日米地位協定入門」 (「戦後再発見」双書2)
『一都八県(東京都、栃木県、群馬県、埼玉県、神奈川県、新潟県、山梨県、長野県、静岡県)の上空が、そのままスッポリと米軍の巨大な支配空域になっていることがわかります。これが「横田ラプコン」で、この空域を管理しているのが東京都福生市にある米軍・横田基地です。』(P70)
『どのルートを通る飛行機も、4000メートル~5500メートルの高さがある「横田ラプコン」を越えるために、一度房総半島(千葉)方面に離陸して、急旋回と急上昇を行わなければいけないことがわかります。
そのため利用者は、本来は不要な燃料経費を価格に転嫁されたり、時間のロスを強いられたりしているのです。なにより見逃せないのは、こうした非常に狭い空域を不自然に急旋回・急上昇して飛ばなければならないため、航空機同士のニアミスが発生するなど、危険性が非常に高くなっているということです。」 (P71)
これが横田ラプコンの説明です。
アメリカの管制空域に配慮して、航空会社が飛行機を飛ばさなければいけない、というわけです。
そして、首都圏をとりまく米軍基地の実態にも触れています。
『横田、座間、厚木、横須賀と、都心から3~40キロ圏内に、まるで首都東京を取り囲むかのような形で米軍基地が存在しているのです』(P71,72)
空だけではないのですね。
つまり、日本の首都圏は、アメリカがやろうと思えばすぐに制圧できる、という状況なわけですね。
嘉手納ラプコンの管制空域(返還されたが権限は米軍に)
▼嘉手納ラプコン 31日に日本返還/那覇空港が管制へ
この「嘉手納ラプコン」について、「日米地位協定入門」では、以下のように説明されています。
▼引用元:本当は憲法より大切な「日米地位協定入門」 (「戦後再発見」双書2)
『これは「嘉手納ラプコン」といわれる沖縄上空の米軍の支配空域です。半径90キロ、高度6000メートルと、半径55キロ、高度1500メートルのふたつの空域が、沖縄と久米島の上空をすべておおっています。』(P67)
半径90キロ、高度6000メートル
半径55キロ、高度1500メートル
の2つの円柱の空域が、沖縄には存在するのですね。
『一方、那覇の上空にとても小さな円筒があるのが見えるでしょうか。これが那覇空港の管制空域です。半径5キロ、高度600メートル、笑うしかないほど小さいですね。』(P69)
那覇空港の管制空域は、あまりに小さい。
半径5キロ、高度600メートル
米軍の管制空域にすっぽり入っていますね。
『この嘉手納ラプコンは2010年3月末、日本へ「返還」され、管理権が日本に移ったことになっています。しかし実態はなにも変わっていません。依然として米軍機優先の管理体制が継続しているからです。あとで似た話が出てきますが、これが「形だけは返還して、手間のかかる作業は日本にやらせるが、大事な権限は手放さない」という、米軍が日本側に「譲歩」するときの典型的なパターンなのです」(P69,70)
この「嘉手納ラプコン」は日本に返還されたわけです。
ただし、実態は何も変わっていないのですね。権限はアメリカがしっかり握っているという。
岩国ラプコン:詳細不明
岩国ラプコンの実態は、まだ明らかになっていないのか、ネット上にはほとんど情報はありません。
「日米地位協定入門」には、わずかですが、記述があります。
▼引用元:本当は憲法より大切な「日米地位協定入門」 (「戦後再発見」双書2)
『※実はいままであまり知られていなかったのですが、岩国基地の上空にも、管制権が米国の下にある「岩国ラプコン」があり、松山空港に離着陸する民間機が影響を受けていることがわかりました。』(P72)
今まで知られてなかった、と説明されています。
これらは、日米安全保障条約の下に位置する「日米地位協定」によって、米軍に保証された権利となっています。
日米地位協定にある。岩国基地の運用マニュアルでも、軍用機と民間機が「競合」すれば軍用機を優先すると明記する。
何年か前に、岩国から羽田へ。目の前に史上最強と言われるF22が2機着陸したが、それを待機するしかなかった。余談だが、アラスカから飛んできたのか、嘉手納から飛んできたのかは不明。
岩国空域にかかる岩国錦帯橋空港(同)、松山空港(松山市)では、民間機も基地の許可がなければ離着陸できない。ただ、最も影響を受けるのは空域の西側にある大分空港(大分県国東市)だと国内線のベテラン機長(54)は証言する。「岩国空域は通ってはいけないというのがパイロットの共通認識。避けて飛ぶから、羽田など東方面から大分へ向かう路線は難しい」
民間機は岩国空域のさらに上を飛び、通過後すぐに大分空港への着陸準備に入る。このため一般的な路線より高度低下が急になると指摘する。「翼のブレーキだけでなく、上空で車輪を出し、空気抵抗を大きくして無理やり減速させる場合もある」という。
へえ、4600m以上からいきなり急降下か。
岩国から羽田へ向かうには松山のかなり手前で転回し、今治上空に向かう。伊豆大島の真上から、房総半島沖で転回し、羽田に向かう。そのまま直進することもあれば、風向きによっては大きく千葉を回る。今は場合によっては、埼玉まで周り、新宿、渋谷から降下するらしい。
羽田からこちらへは東京湾上空で大きく旋回し、横浜上空からどんどん高度を上げ、富士山の北側を飛ぶ。横田空域の高度制限を避けるのだろう。
呉近くから、周防大島の東を降下、八島上空で急旋回して再び大島を通過して真っ直ぐ岩国に向かう。
イワクニ 地域と米軍基地 地位協定の壁 <3> 周辺空域 米軍が管制
https://www.hiroshimapeacemedia.jp/?p=82114
中四国地方の空に、米軍岩国基地(岩国市)が航空管制をしている空域がある。岩国進入管制空域。広島、山口、島根、愛媛の4県にまたがり、最高高度は約7千メートル。上から見ると、基地を中心に羽を広げたチョウのような形をしている。
岩国空域にかかる岩国錦帯橋空港(同)、松山空港(松山市)では、民間機も基地の許可がなければ離着陸できない。ただ、最も影響を受けるのは空域の西側にある大分空港(大分県国東市)だと国内線のベテラン機長(54)は証言する。「岩国空域は通ってはいけないというのがパイロットの共通認識。避けて飛ぶから、羽田など東方面から大分へ向かう路線は難しい」
民間機は岩国空域のさらに上を飛び、通過後すぐに大分空港への着陸準備に入る。このため一般的な路線より高度低下が急になると指摘する。「翼のブレーキだけでなく、上空で車輪を出し、空気抵抗を大きくして無理やり減速させる場合もある」という。
岩国空域の管制を在日米軍が担う根拠は、日米地位協定にある。岩国基地の運用マニュアルでも、軍用機と民間機が「競合」すれば軍用機を優先すると明記する。「それがパイロットの共通認識の背景にある」と同じく民間機の機長の高橋拓矢さん(51)。パイロットたちの労組でつくる航空安全推進連絡会議(東京)事務局長も務める。
高橋さんは約10年前の経験を振り返る。悪天候のため、在日米軍が当時管理していた沖縄本島周辺の空域を通過させてもらうよう要請したが、断られた。「日本が管制すれば、より柔軟な運航ができるはずだ」。連絡会議は毎年、岩国空域の管制業務を日本が担うよう、国に要望している。
国にはしかし、そうした不都合が生じているとの認識はない。国土交通省管制課は「民間機が進入管制空域を避けているのは事実だが、空域の混雑回避のためで、どの空港の周辺でも同じだ。米軍が管制していることとは関係ない」と説明する。
在日米軍が日本の空域管制を始めたのは戦後間もなく。日本側の設備や人員の不足を背景にした「一時的な措置」だった。だが、米軍は今も二つの空域で管制を続ける。岩国空域と、首都圏上空を覆う「横田空域」だ。
なぜ米軍管制空域が残っているのか。中国新聞はその法的根拠について国に情報公開請求したが、不開示だった。
日本政府も「空の主権」を取り戻そうとしてきた。日米両政府が在日米軍再編に最終合意した2006年、日米合同委員会に特別作業部会を設置。横田は一部返還を、岩国は「調整する」ことで一致した。
横田は08年9月に一部返還されたが、岩国では動きが見えないままだ。国交省管制課は「国の主権の観点から、日本側が一元的に管制すべきだとの姿勢は崩していない」と強調する。それでも作業部会の開催状況や経過は、日米合同委が絡むため明かさない。
「自国の空を管制できないのは異常。国が返還交渉に本腰で取り組むべきだ」と航空評論家の秀島一生さん(72)は指摘する。中四国地方の空は、戦後73年を迎える今も占領期の名残を引きずっている。(明知隼二)
進入管制空域
離陸後の上昇、着陸に向けた下降のための空域。出発機や到着機の多い空港周辺に設けられ、複数の空港や飛行場を含む場合もある。全国に31カ所あり、うち在日米軍が管制を担うのは岩国空域と横田空域の2カ所。それ以外では国が15カ所、自衛隊が14カ所の管制をしている。
(2018年4月17日朝刊掲載)
被爆地・広島を飛び回るオスプレイ 岩国空域(ラプコン)占有する米軍
https://www.chosyu-journal.jp/shakai/11844
広島市中心部の上空で米軍オスプレイの飛来があいついで目撃されている。岩国基地に空母艦載機60機が移駐し、極東最大の米軍基地に変貌して以来、低空飛行訓練を含む広島県内への飛来数は度をこえて増加している。74年前、原爆を投下した広島市の頭上まで傍若無人に飛びかう横暴さは、被爆地に対する挑発的な行動として市民の怒りをかき立てている。
今月15日、広島市中心部でオスプレイ2機が南東から北西方向に飛行していく姿が目撃され、機体から岩国基地を飛び立った米軍オスプレイであることが確認された。広島県国際課によると、同日は平和公園近辺から4件、北広島町から3件の目撃情報が寄せられている。これとは別に、広島市に対し、安佐南区や安佐北区から同じような米軍機の目撃情報が計9件寄せられた。2017年12月にもオスプレイ2機が中区上空を飛行して物議を醸したが、広島市中心部で米軍機の目撃情報があいつぐことは珍しい。
目撃情報を集約した広島県は17日、事実確認と飛行の禁止を中四国防衛局に申し入れた。これらのオスプレイ2機は横田基地配備機で、同基地と岩国基地を往復したさい、復路で広島市中心部の上空を通過し、北広島町をまわって横田基地に帰還したことが明らかになっており、本来避けるべき住宅密集地の上空を意図的に飛行したと見られている。
広島県の集計によると、昨年度の米軍機の飛行による騒音で70デシベル以上を観測した回数は、県内6カ所で4969回にのぼっており、前年度と比べて1・3倍に増加している。とくに岩国基地からの飛行ルートに近い大竹市阿多田島では3182回(前年比1・4倍)、江田島市沖美町では169回(同1・9倍)に達した。
2017年10月には北広島町の上空で訓練中の米軍戦闘機が、敵のミサイル攻撃をかわすための「フレア(火炎弾)」を十数発発射する事件も発生しており、住宅密集地を戦場に見立てた常軌を逸した訓練は今も止むことがない。
岩国基地の配備機数が120機をこえたことに加え、岩国基地を中心にして北側は山口県萩市から島根県浜田市、南側は愛媛県伊方町から西条市に至る広大な空域は横田空域と同じ米軍管理空域「岩国空域」に指定されていることが背景にある。山口県は光市から東部地域、広島県は廿日市市から大竹市、江田島市もすっぽりとこの空域の中に含まれ、米軍機が飛行可能というよりも、米軍しか飛行できない。米軍の許可なしには日本の航空機は進入することができない治外法権空域となっている。空域内の松山空港(愛媛県)に向かう民間機は、岩国基地の管制官の指示どおり飛ばなければならず、空域のすぐ西側にある大分空港へ向かう民間機も、高度制限などの制約を受けている。2016年のオバマ前大統領の広島訪問時には、岩国基地からオスプレイ4機に先導させ、「岩国空域」を通って広島ヘリポート(旧広島西飛行場)に降りており、この空域が「米軍占有」であることを内外に誇示するものとなった。
岩国基地では23日から、九州沖で「空母艦載機パイロットによる着艦資格取得訓練(CQ)」がおこなわれ、約60機の艦載機が滑走路の運用時間外にも離着陸をくり返している。騒音や墜落事故の危険性にとどまらず、「本土の沖縄化」の象徴として広島沿岸を含む一帯を核攻撃基地にする動きがあらわれており、被爆地を冒涜する米軍機の飛行に広島県内一帯で反発が高まっている。
嘉手納・横田・岩国ラプコン 管制空域・解説まとめー「日米地位協定入門」より
http://blog.livedoor.jp/amenohimoharenohimo/archives/65847141.html
日本にある米軍基地周辺の空は、米軍の管制権があるのですね。
つまり、空を米軍が支配している、ということです。
それが、日本の民間航空が飛行機を飛ばすことに影響しているのですね。
▼引用元:本当は憲法より大切な「日米地位協定入門」 (「戦後再発見」双書2)
ラプコンとは、「rader approach control(レーダー侵入管制)」の略です。
それでは、嘉手納ラプコン、横田ラプコン、岩国ラプコンの順に見ていきます。
横田ラプコンの管制空域(一都八県の巨大空域)
首都圏の空はアメリカの支配下にあるというわけです(空だけではないんだけどね)。
これについて「日米地位協定入門」は以下のように説明しています。
▼引用元:本当は憲法より大切な「日米地位協定入門」 (「戦後再発見」双書2)
『一都八県(東京都、栃木県、群馬県、埼玉県、神奈川県、新潟県、山梨県、長野県、静岡県)の上空が、そのままスッポリと米軍の巨大な支配空域になっていることがわかります。これが「横田ラプコン」で、この空域を管理しているのが東京都福生市にある米軍・横田基地です。』(P70)
『どのルートを通る飛行機も、4000メートル~5500メートルの高さがある「横田ラプコン」を越えるために、一度房総半島(千葉)方面に離陸して、急旋回と急上昇を行わなければいけないことがわかります。
そのため利用者は、本来は不要な燃料経費を価格に転嫁されたり、時間のロスを強いられたりしているのです。なにより見逃せないのは、こうした非常に狭い空域を不自然に急旋回・急上昇して飛ばなければならないため、航空機同士のニアミスが発生するなど、危険性が非常に高くなっているということです。」 (P71)
これが横田ラプコンの説明です。
アメリカの管制空域に配慮して、航空会社が飛行機を飛ばさなければいけない、というわけです。
そして、首都圏をとりまく米軍基地の実態にも触れています。
『横田、座間、厚木、横須賀と、都心から3~40キロ圏内に、まるで首都東京を取り囲むかのような形で米軍基地が存在しているのです』(P71,72)
空だけではないのですね。
つまり、日本の首都圏は、アメリカがやろうと思えばすぐに制圧できる、という状況なわけですね。
嘉手納ラプコンの管制空域(返還されたが権限は米軍に)
▼嘉手納ラプコン 31日に日本返還/那覇空港が管制へ
この「嘉手納ラプコン」について、「日米地位協定入門」では、以下のように説明されています。
▼引用元:本当は憲法より大切な「日米地位協定入門」 (「戦後再発見」双書2)
『これは「嘉手納ラプコン」といわれる沖縄上空の米軍の支配空域です。半径90キロ、高度6000メートルと、半径55キロ、高度1500メートルのふたつの空域が、沖縄と久米島の上空をすべておおっています。』(P67)
半径90キロ、高度6000メートル
半径55キロ、高度1500メートル
の2つの円柱の空域が、沖縄には存在するのですね。
『一方、那覇の上空にとても小さな円筒があるのが見えるでしょうか。これが那覇空港の管制空域です。半径5キロ、高度600メートル、笑うしかないほど小さいですね。』(P69)
那覇空港の管制空域は、あまりに小さい。
半径5キロ、高度600メートル
米軍の管制空域にすっぽり入っていますね。
『この嘉手納ラプコンは2010年3月末、日本へ「返還」され、管理権が日本に移ったことになっています。しかし実態はなにも変わっていません。依然として米軍機優先の管理体制が継続しているからです。あとで似た話が出てきますが、これが「形だけは返還して、手間のかかる作業は日本にやらせるが、大事な権限は手放さない」という、米軍が日本側に「譲歩」するときの典型的なパターンなのです」(P69,70)
この「嘉手納ラプコン」は日本に返還されたわけです。
ただし、実態は何も変わっていないのですね。権限はアメリカがしっかり握っているという。
岩国ラプコン:詳細不明
岩国ラプコンの実態は、まだ明らかになっていないのか、ネット上にはほとんど情報はありません。
「日米地位協定入門」には、わずかですが、記述があります。
▼引用元:本当は憲法より大切な「日米地位協定入門」 (「戦後再発見」双書2)
『※実はいままであまり知られていなかったのですが、岩国基地の上空にも、管制権が米国の下にある「岩国ラプコン」があり、松山空港に離着陸する民間機が影響を受けていることがわかりました。』(P72)
今まで知られてなかった、と説明されています。
これらは、日米安全保障条約の下に位置する「日米地位協定」によって、米軍に保証された権利となっています。